★アメコミ映画プレビュー:『フラッシュ・ゴードン 4K』
リバイバル公開されます。この作品、あのクイーンが初めて映画音楽を手掛け、その主題歌である“フラッシュのテーマ”はあまりにも有名。本作の魅力について語ります。
“フラッシュ・ゴードン”は『スター・ウォーズ』の先輩
『フラッシュ・ゴードン』は主人公の名前です。もともとは1934年にアメリカの新聞漫画としてデビューしました。地球人の若者でポロの選手でもあるフラッシュ・ゴードンが惑星モンゴに旅立ち、そこで残酷な皇帝ミンと戦うというストーリー。
アレックス・レイモンドという素晴らしいアーティストがファンタスティックなモンゴの世界やフラッシュの優雅かつかっこいいシーンを描いています。コミックというより素敵な絵物語といった感じです。大変人気が出て1936年には連続活劇として映画化されます。
この連続活劇というのは“1本の映画”というより1つの物語をいくつかのエピソードにわけ毎週毎週映画館で小刻みに上映していくスタイルです。当時はTVや配信がないので連続ドラマを映画館でやっていたわけですね。3シリーズ作られ、日本では最初の2つのダイジェスト版が『超人対火星人』『火星地球を攻撃す』として公開されたそうです。
この映画版はアメリカでは50年代にTV放送された。そしてそれを熱心にみていた少年の一人が、あのジョージ・ルーカスだったのです。いつしか彼はフラッシュ・ゴードンを自分の手で作りたい!と思うようになります。それが形を変え『スター・ウォーズ』になるわけです。なので『スター・ウォーズ』が世界的なブームになった時に、そのルーツはフラッシュ・ゴードンにあり、みたいな形でフラッシュ・ゴードン自体にも再び脚光が当たりました。
“フラッシュ・ゴードン”はスーパーマン、コブラの先輩
コミック史的にみると世界初のスーパーヒーローは1938年にデビューしたスーパーマンとなります。けれどフラッシュ・ゴードンは1934年デビューしていますからスーパーマンより早いんです。
しかしフラッシュ・ゴードンはスーパーパワーを持たない普通の人間だったのでSF冒険ヒーローの先駆けの一人ではあるが“スーパーヒーロー”ではなかった。だからその称号はスーパーマンに与えられるわけです。
またフラッシュ・ゴードンは新聞紙に連載されていましたが、スーパーマンはコミック・ブック誌だったのでそこも異なります。でも皆を興奮させたコミック発のヒーローという意味では、スーパーマンの先輩と言ってもいいでしょうね。
そして驚くことに、1968年に少年ジャンプが創刊された際、その創刊号にフラッシュ・ゴードンの漫画が特別掲載されているのです!(この時はダン・バリーというアーティストが描いていました)。少年ジャンプ発の宇宙ヒーロー漫画と言えば『コブラ』ですから、フラッシュ・ゴードンはコブラの先輩でもあるわけですね(笑)
(この後、私が所有する少年ジャンプ創刊号の画像がご覧いただけます!)
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