★保存版:マーベル映画、DC映画はいまこうなっている。<後編:マルチバース篇>
それをざっとご説明しましょう。極めてライト・ファン向けです。
最後はマルチバースを解説します。
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前回までのおさらい
フロー図はすぴ豊製作
前編・中編において現状のマーベル、DC映画は
*マーベル:
MCU=マーベル・シネマティック・ユニバース
SSU(SPUMC)=ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(ソニーピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズ)
*DC:
DCU=DCユニバース
DCエルスワールズ
となっているとお話しました。
今回はそれらについての補足知識です。
アメコミ最強の設定?マルチバース
アメコミにはマルチバースという考え方があります。ユニバースに対してマルチバースです。「ユニ=単一」に対し「マルチ=様々な」です。
要はいま僕らが生きている現実世界・時間軸/歴史とは別の現実世界・時間軸/歴史が複数存在するというアイデアです。要はパラレル・ワールドです。『君の名は』で言えば“隕石で村が全滅してしまった世界”と“皆が助かった世界”はマルチバースの関係です。
アメコミ・ヒーロー物においてはこの設定を古くからとりいれてきました。
恐らくDCのザ・フラッシュが50年代のコミックにとりいれたのが最初と言われています。もともとザ・フラッシュは第二次世界大戦前に発表されたヒーローで、ジェイ・ギャリックという男が超高速ヒーローとして活躍します。1950年代つまり第二次大戦後に新しいザ・フラッシュのコミックをスタートさせる際、デザインもキャラも一新しバリー・アレンという青年がザ・フラッシュになる。これはこれで「あり」なんですが、じゃあジェイ・ギャリックの立場は?そこでDCは実はジェイ・ギャリックのザ・フラッシュが活躍する世界は<アース2>と呼ばれる世界で、バリー・アレンのザ・フラッシュの世界は<アース1>である、と説明しました。
そして時空を超えて、2人のザ・フラッシュは共演も可能。
こうすることでアメコミはヒーローをリニューアルしたり、また人種を変えたバージョン=黒人のスーパーマンを作る際、それはマルチバース上の別世界の話という形で辻褄をあわせてきたのです。読者にとっても自分の好きなバージョンのヒーローがどこかに生きていると思うことで精神衛生上、とてもいいわけです。
あとヒーロー物でタイムトラベルして歴史が変わってしまい、もう一つの現実が生まれてしまったみたいなこともマルチバースとして考えています。
映画におけるマルチバース:マーベル例
アメコミ・ヒーロー映画もこの考え方を映画にとりこむようにしてきました。
すごいのは本来関係なかった過去の作品もマルチバースで取り込んでしまうことです。
その一番いい例が『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』です。